学会活動

国内における学会活動

 丹羽教授は下記の如く関連各学協会の発展に貢献している。

  1. (社)日本畜産学会:
    評議員、幹事、理事、第62回大会委員長(岩手大学、盛岡)、東北支部長等をつとめた(昭和32年度〜57年度)。昭和62年4月以降名誉会員、特別会員。昭和62年4月以降名誉会長、昭和56年8月同学会東北支部特別会員、昭和63年11月以降同学会関東支部特別会員。
  2. 日本養豚研究会:
    昭和39年2月、設立に主導的役割を果し、副会長(昭和39.2〜41.2)、会長(昭和41.3〜62.2)をつとめた。
  3. 日本養豚学会:
    昭和62年3月、日本養豚研究会を発展的に改組して設立、会長をへて(昭和62.3〜)名誉会長をつとめる。
  4. 日本家畜人工授精研究会(旧凍結精液研究会):
    副会長、会長をつとめ、昭和59年2月以降名誉会員。(なおこの研究会は昭和61年、家畜繁殖技術研究会と名称変更した)
  5. 家畜繁殖学会(旧家畜繁殖研究会):
    理事、監事をつとめ、昭和62年4月以降名誉会員。
  6. 日本不妊学会:
    評議員をつとめた。
  7. 日本食肉研究会:
    評議員(昭和46.4〜平成3.3)をつとめた。
  8. 日本学術会議:
    畜産学研究連絡委員会委員(昭和60.5-63.7)をつとめた。
  9. その他、日本獣医学会、日本生物環境調節学会、日本家畜管理研究会等関連学協会の会員。

国際学会議における活動

  1. 第1回極東家畜改良会議日本代表として出席し、第2分科会(中家畜部門)の議長をつとめた。(1959年、昭和34年10月、東京)
  2. 第4回国際家畜繁殖学会議日本代表として出席し、総会において「豚における人工授精の研究と実施」と題する基調講演を行った(1961年6月、オランダ、ハーグ)(この国際学会議において日本から基調講演者に指名されたのは丹羽博士が初めてである)。
  3. 第8回国際畜産学会議に出席し、「山羊精液の凍結保存ならびに凍結保存精液による授精試験」(*和出 靖と共著)の研究発表を行った。(1961年6月、西ドイツ、ハンブルグ)
  4. 第5回国際家畜繁殖・人工授精学会議に「錠剤形式による牛精液の凍結保存に関する研究(第1報)、(第2報)、(第3報)」(*永瀬 弘らと共著)および「錠剤化精液」の研究(永瀬 弘、E.F. Grahamと共著)を発表した。(1964年9月、イタリア、トレント)
  5. 第5回国際家畜繁殖・人工授精学会議に「日本—ビルマ間における豚精液の輸送並びに受胎試験の結果」(瑞穂 当らと共著)を発表した。(1964年9月、イタリア、トレント)
  6. 第11回太平洋学術会議に出席し、「豚の性成熟期に関する研究、特に中国種の早熟性について」(瑞穂 当らと共著)の研究発表を行った。(1966年9月、東京)(日本国交回復昭和は1986年、昭和61年)
  7. 第6回国際家畜繁殖・人工授精学会議に出席し、総会において「体外保存精子の受精能力と生物学知見」について、「日本におけるメサリビュアによる豚の発情調整に関する研究」(*西川義正らと共著)の発表を行った。(1968年7月、フランス、パリ)
  8. 第7回国際家畜繁殖・人工授精学会議に出席し、総会講演の座長をつとめた。(1972年6月、西ドイツ、ミュンヘン)
  9. 第4回国際養豚獣医学会議(IPVS)に出席し、開会式総会において「東洋における豚肉生産について」の基調講演を行った。(1976年6月、アメリカ、アイオワ州立大学)(この国際学会議で、アジアから基調講演者に指名されたのは丹羽博士が初めてである
  10. 第8回国際家畜繁殖・人工授精学会議に出席し、学会運営に協力した。(1976年6月、ポーランド、クラコウ)
  11. ASPAC東南アジア養豚セミナーに出席し、(1)「豚の人工授精」、(2)「日本における養豚の現状と問題点」について講演し、討論を行った。(1977年5月、台湾)
  12. 第1回日華(中日)養豚研究会議に出席し、座長をつとめ、また「豚の人工授精」について講演を行った。(1977年11月、台湾)
  13. 韓国家畜繁殖並びに人工授精学術大会において「豚の繁殖および人工授精について」特別講演を行った。(1978年5月、韓国、ソウル)
  14. 第5回国際養豚獣医学会議(IPVS)に出席し、座長をつとめた。また「豚精液中のPGF2αの濃度およびPGF2αの投与が豚の精液性状に及ぼす影響について」(橋爪 力と共著)の研究発表を行った。(1978年6月、ユーゴスラビア、ザグレブ)
  15. 第2回日華養豚研究会議を主催し、会議の運営に当った。また座長をつとめ、「日本における養豚の現状と養豚研究の動向」について講演も行った。(1978年9月、東京)
  16. 第21回世界獣医学会議に出席し、座長(第11部会)をつとめた。(1979年7月、ソ連、モスクワ)
  17. 第6回国際養豚獣医学会議(IPVS)に出席し、座長をつとめ、(1)「PGF2α-analogueによる豚の分娩誘起と分娩後の豚血中Progesteroneレベルについて」(椙目良宏らと共著)(2)「直腸検査法による豚の早期妊娠診断について」(*沢田 実と共著)の研究発表を行った。(1980年6月、デンマーク、コペンハーゲン)
  18. 第9回国際家畜繁殖・人工授精学会議に出席し、「牛精液中のPGF2αの濃度およびPGF2αの投与が牛の精液性状に及ぼす影響について」(橋爪 力らと共著)の研究発表を行った。(1980年6月、スペイン、マドリード)
  19. 韓国家畜繁殖研究会1982年春季学術大会に招請を受け、特別講演(「日本における養豚の現況と研究の動向について」)を行った。(1982年5月、韓国、ソウル)
  20. 第7回国際養豚獣医学会議(IPVS)に出席し、座長をつとめ、「豚精液の保存液に対するPGF2αの添加が受胎率および繁殖成績に及ぼす影響について」(橋爪 力らと共著)の研究発表を行った。(1982年7月、メキシコ、メキシコシティー)
  21. 第3回日華養豚研究会議に出席し、座長をつとめ、また会議の運営に協力した。「日本における養豚の概況と試験研究」についての講演も行った。(1982年11月、台湾)
  22. アジア地域の家畜人工授精セミナーに出席し、「日本における家畜人工授精最近の進歩と現況」について講演し、討論を行った。(1983年3月、フィリッピン)
  23. 第5回世界畜産学会議(WCAP)が東京で開催された機会に、日本養豚学会の主催で「国際養豚シンポジウム」(講演者には欧米6カ国より著名な養豚学者9名を招待)を企画開催し、組織委員会委員長として努力した(1983年8月、東京農業大学図書館ホール)。
  24. 第4回日華養豚研究会議を主催し、会議の運営に当った。(1984年6月、東京)
  25. 第8回国際養豚獣医学会議(IPVS)に出席し、座長をつとめた。(1984年8月、ベルギー、ゲント)
  26. 第3回アジア・オーストラリア地域畜産学会議(AAAP)に出席し、座長をつとめた。(1985年5月、韓国、ソウル)
  27. 第5回日華養豚研究会議に出席し、会議の運営に協力した。(1986年11月、台湾)
  28. (財)交流協会主催第8回科学技術協力セミナー「豚の呼吸器系および生殖器系」の開催に当り、Coordinatorおよび組織委員会委員長として努力した。(1988年10月、東京)
  29. 第6回日華養豚研究会議を主催し、会議の運営に当った。(1988年10月、東京)
  30. 第7回日華養豚研究会議に出席し、会議の運営に協力した。(1990年11月、台湾)

海外技術指導および国際学術交流

  1. ビルマ国政府の要請により、豚の人工授精技術指導(人工授精師養成講習会)の講師として講義・実習を行った。(1961年2月〜4月)ビルマ空輸(45〜75時間)して人工授精 受胎率80.1%であった。
  2. イタリア、ミラノ大学で開催された国際畜産学講座の講師として「豚の人工授精について」講義を行った。(1961年5月)
  3. 米国ミネソタ大学畜産学部客員研究員として「豚の人工授精に関する研究の指導および共同研究」を行った。(1961年6月〜11月)
  4. 台湾省畜産試験所において「豚の繁殖、人工授精」についての技術指導、講習を行った。(1962年10月〜11月)
  5. 日ソ農業技術交流事業に基づく訪ソ農業視察団(家畜改良繁殖班)の訪ソ視察団農林省から派遣の団員としてソヴィエト連邦に出張し、家畜の繁殖・人工授精に関する視察と技術交流を行った。(1965年6月〜7月)
  6. FAOエキスパートとしてシンガポール国の豚試験所に滞在し、「豚人工授精の技術並びに研究の指導」を行った。(1970年12月〜1971年3月)
  7. キューバ国政府の招請により、同国において「家畜人工授精の技術交流並びに研究の 指導」を行った。(1972年6月〜7月)
  8. 台湾省畜産試験所において「豚の人工授精、とくに精液の低温保存に関する技術、研究の指導」を行った。(1979年12月〜1980年1月)
  9. 農林省畜産試験場において(1938年〜1964年)米国、オランダ、東南アジア各国等から来日した学者、技術者に対し、信州大学農学部において(1965年〜1967年)ソ連から来日した技術者に対し、また岩手大学農学部において(1968年〜1981年)中南米、東南アジア各国等から来日した研究者、留学生に対し、「家畜の繁殖・人工授精」について指導を行った。(総数30余名)
  10. 農林水産省福島種畜牧場において毎年開催される家畜人工授精外国人研修コースにおいて「日本における家畜人工授精の歴史と現況」等について講義を行った。(約10年間)
  11. 日伊畜産学協会事務局長および日本会長代理(初代会長は山根甚信博士、山根博士逝去後会長代行、1950年〜1975年)として努力した。
  12. 日韓家畜改良繁殖・人工授精技術交流会Japan-Korea Association for the Exchange of Technology on the Livestock Breeding、 Reproduction and Artificial Inseminationを設立、初代日本会長(1975年5月〜1990年6月)として畜産学術の国際交流に貢献した。
  13. 日華(中日)養豚研究会議Sino-Japanese Swine Research Conferenceの設立、開催に主導的役割を果し、1977年以来日本養豚学会と台湾養猪科学研究所との共催で今日まで7回両国交代で原則として2年毎に養豚研究会議を開催し、養豚学術の国際交流、発展、友好親善に貢献している。

特に設立・運営に努力された学会・協会等

 丹羽太左衛門が特にその設立に主導的役割を果し、その後の運営発展に努力された学会・協会、国際研究会議等の概要を記録にとどめる。

日本養豚学会(旧日本養豚研究会)The Japanese Society of Swine Scienceの設立

 日本養豚学会の前身である「日本養豚研究会」The Japanese Society of Swine Husbandry Researchは、我が国の豚産肉能力検定事業が昭和34年から全国的実施に移された際、技術的な打合せと残された細部の問題を研究することを主な目的として設置された「豚産肉能力検定研究会」が、その後5カ年を経て検定事業が軌道に乗ったのを機会に発展的に改組し、養豚全般にわたる研究会として昭和39年(1964年)2月に発足した。さらに近年における内外養豚学術の進歩に対応するため会員の総意により、昭和62年(1987年)から実学を重視し、我が国養豚の発展に寄与する「日本養豚学会」The Japanese Society of Swine Scienceに改組して今日に至っている。

 国際養豚獣医学会(IPVS)は、1969年の設立。なお日本養豚学会設立はそれより5年前の設立である。

 設立当初は正会員数353名、賛助会員数22団体・会社であったが、その後着実な発展を続け、設立10年後の昭和49年以降は正会員数約900〜1,000名、賛助会員数40〜50団体・会社となり、内容的にも著しく充実してきた。
 本学会の主な事業は、(1)研究発表会、学術講演会などの開催、(2)機関誌「日本養豚学会誌」の刊行、(3)養豚学術に関する情報、文献などの蒐集・刊行及び交換、(4)養豚学術に関する研究の促進及び会員相互の連絡、(5)養豚学術に関する国際交流、(6)養豚学術の進歩、発展及び普及に貢献し者の表彰、(7)その他必要な事業となっている。
 そして、過去27年間における実績として、大会の開催は55回、会誌の発行は27巻通年82号(ほかに別冊1号)、日本養豚文献集の発行は第1輯(明治34年〜昭和47年、1901〜1972)、第2輯(昭和48年〜53年、1973〜1978)、第3輯(昭和54年〜58年、1979〜1983)、第4輯(昭和59年〜63年、1984〜1988)に及んでいる。また、養豚学術の進歩、発展及び普及に貢献した者の表彰(日本養豚学会賞、研究会賞)の贈呈は21回36件となっている。
 さらに最近10数年間においては、活動の範囲を国際的にも拡げ、国際養豚獣医学会議(IPVS)への参加(1976年以降、第4回〜11回)、当時会長であった丹羽太左衛門に、第4回大会(1976年)の総会における基調講演依頼があり、アジアから初めて特別講演を行ったのがきっかけとなる。日華(中日)養豚研究会議の開催(1977年以降、7回)、国際養豚シンポジウムおよびセミナーの開催のほか、大会における諸外国(欧米およびアジア各国)からの講演者の招聘などを行っている。

 国際養豚獣医学会(IPVS)は、養豚の各分野とくに獣医衛生関係の研究発表、各国間の情報交換等を目的として設立された、日本養豚学会とは関係の深い学会である。日本養豚学会はこのIPVSよりも5年前に設立され、養豚の全般にわたり豚を唯一の対象とする学会で世界的にも類例を見ないユニークな学会として内外で注目される存在となってきている。

 丹羽教授は本学会(研究会)の設立に主導的役割を果し、副会長(昭和39年(設立時)〜昭和41年)、会長として(昭和42年~)その後名誉会長として学会の発展に心血を注いでおられる。平成6年より顕著な業績をあげた者に対し、その業績を讃え、日本養豚学会学会丹羽賞(学術賞)が贈られている。

日華(中日)養豚研究会議Sino-Japanese Swine Research Conferce

 この養豚研究会議は、1976年(昭和51年)米国アイオワ州立大学で開催された第4回国際養豚獣医学会議International Pig Veterinary Society Congress、IPVSの折、同学会議に出席してわが国より初めて基調講演を行った本会丹羽太左衛門会長と中華民国から出席した戈 福江教授、李 祟道博士との間で、両国の養豚学術発展のため日華養豚研究会議(中日養猪研究会議)を開催することについての希望と意見が一致し、両国代表は帰国後それぞれの関係機関に諮って同意を得た。そして、この養豚研究会議を日本養豚学会(旧研究会)と台湾養猪科学研究所との共催で両国交互に開催することに決定し、第1回が1977年(昭和52年)台湾で開催され、第2回を翌1978年(昭和53年)東京で開催した。以後第3回(1982年)、第5回(1986年)、第7回(1990年)が台湾養猪科学研究所において、第4回(1984年)と第6回(1988年)が東京において開催されている。
 会議は毎回、両国の要望テーマ(10〜15個)について講演(論文報告)と討論を行い、最後に会議の結論とコメントをまとめて発表し、会議終了後、養豚関係施設等の見学・研修旅行を行い、有意義且つ友好裡に終了している。
 なお、会議のつど、日中語の会議日程、講演要旨、出席者名簿を印刷して出席者および関係者に配布し、会議終了後「養豚研究会議報告」Proceedingsを発行している。現在この会議は、原則として2年毎に両国交互に開催する申し合せになっており、出席者数は第1回〜第3回は50〜65名、第4回以降は100〜180名となっている。この養豚研究会議は「科学に国境なし」と「友情に国境なし」をモットーとして、両国の養豚学術の交流と友好親善に多大の成果をおさめており、丹羽教授は設立以来今日までその運営・発展に努力されている。

中日養猪研究會議
台灣養猪科学研究所,日本養猪研究會合瓣
中華民國六十六年十一月十四~二十日於苗栗縣竹南鎮
第1回日華(中日)養豚研究会議(1977)

日韓家畜改良繁殖・人工授精技術交流協会 The Japan-Korea (Korea-Japan) Asociation for the Exchange of Technology on the Livestock on the Livestock Breeding、 Reproduction and Artificial Insemination

 1978年5月、丹羽教授は韓国家畜繁殖研究会(現韓国家畜繁殖学会、当時の会長は金栄黙博士)および韓国家畜人工授精協会(当時の会長は金善煥博士)の招請により、ソウルにおいて開催された韓国家畜繁殖・人工授精学術大会に出席して特別講演を行い、学術交流につとめた。その後、関係大学、試験研究機関、中央家畜人工授精所等を見学した折、金善煥会長より韓国の研究者、技術者の間で日本訪問を希望し、学術交流を望むものの多いことを聞き、また日本としても両国の技術交流、友好親善は望ましいと考えられるので、これを機会に「日韓家畜改良繁殖・人工授精技術交流会協会」を設立することで両者の意見が一致し、1979年会則を定め、その発効(1980年12月13日)を持って1981年から事業を開始した。
 交流は、同一年内に相互同一人数を原則とし、訪問者は訪問国において開催される学会に出席して特別講演を行い、その後の見学、視察等について受入れ国から格別の便宜を与えられ、親善に寄与することを約束している。
 この会則に従って1981年から現在(1990年)までに韓国から訪日された学者、研究者は10名(主として大学教授および国立畜産試験場、国立種畜院等の代表専門家)、わが国から訪韓された学者、研究者も10名(大学教授および(社)家畜改良事業団顧問)に上り、技術交流、友好親善の実が収められている。
 なお、丹羽教授はこの技術交流協会設立以来1990年6月まで初代日本会長として尽力されたが、同年7月以降日本会長は大地降温教授(麻布大学)がつとめられている。

中国との養豚技術の交流(日本養豚学会)

 日本養豚学会では、かねてから養豚学術の国際交流がわが国養豚振興上きわめて重要であるとの観点から、欧米諸国で開催される養豚関係国際学会議(例えば国際養豚獣医学会議IPVS)には毎回つとめて会員で出席して、諸外国における養豚技術の進歩を見聞し、またわが国の研究報告も行い、帰国後学会大会および学会誌を通じて広くこれを会員に報告し、参考に資することに努めている。
 また、アジアでは養豚研究の一拠点である台湾養猪科学研究所と共催で1977年以来9回にわたり、原則として隔年、日華(中日)養豚研究会議を開催して養豚学術の進歩に寄与してきたが、中国大陸との間には遺憾ながら全国を代表する養豚研究会(学会)がなく、交流の相手がないまま今日に至っていた。
 ところが、幸い1991年1月に中国の全土(33省、島)を一丸とした中国畜牧獣医学会養猪学分会(学会)が成立し、日本養豚学会との間に学術交流を希望することが明かとなったので、日本養豚学会はこの際、新たに成立した中国牧畜獣医養猪学分会の任務、会員、組織機構、等同分会の内容について代表者に面会して実情を伺い、学術交流の意向を確認するため、平成3年(1991)11月7〜3日、学会長丹羽太左衛門と学会常務理事青山静應の両名が、中国牧畜獣医学会養猪学分会(事務局:上海市農業科学院畜牧獣医研究所内)を訪問し、陳潤生理事長(中国東北農業大学教授)および趙志龍副理事長(兼秘書長)ほか関係者と協議し、また北京の中国農業科学技術委員会(王偉琪科学技術司)および中国農業科学院畜牧研究所(鄭丕留教授)等をも訪問打合せ、日中両国の養豚技術交流を実施することを約束した。
 その結果、現在までに上記4氏がわが国の養豚学会大会に招待され、それぞれ特別講演を行い、また関係場所も見学して友情を深め、国際交流に有益であった。

中国豚に関する国際シンポジウムへの参加

 1992年8月11〜14日、中国ハルビン市において開催された第2回のこのシンポジウムには中国、台湾のほか9カ国1機関からの研究者約200名が参加した。わが国からは11名(うち日本養豚学会員7名)が参加し、9題の研究発表を行い、閉会後に中国豚の育種農場の見学、各国研究者間の情報交換も行われた。(因みにこのシンポジウムの第1回は1990年フランスで開催されている)。

国際養豚シンポジウムの開催(日本養豚研究会)

 昭和58年(1983)8月東京において世界畜産学会議WCAPが開催された機会に国際養豚シンポジウムInternational Symposium on Swine Productionを開催した。すなわち、同畜産学会議に出席のため来日された畜産研究者のうち、養豚関係で著名な欧米の学者、研究者9名をスピーカーにお願いして下記で開催、出席者270名に及び、きわめて盛会且つ有意義に終了した。

期日:昭和58年(1983)年8月12日(金)、13日(土)
会場:東京農業大学図書館

招待講演者と演題

  1. 英国における養豚の研究・・・R.Braude(英国)
  2. デンマーク・ランドレース豚の育種の現状と将来展望・・・H.E.Nielsen(デンマーク)
  3. より良質の豚肉生産のための雑種雌豚及び雄豚の利用・・・M .H .Fahmy(カナダ)
  4. 新鮮豚肉の品質と安定・・・M .D .Judge(米国)
  5. 米国における豚の生産と研究・・・R .J .Gerrits(米国)
  6. 豚における発情と排卵の調整・・・B .N .Day(米国)
  7. 豚における精液保存と発情調整の進歩・・・M .Paquignon(フランス)
  8. 初産豚の泌乳期における臨床的、形態的及び内分泌学的研究・・・I.Settergren(スウェーデン)
  9. 豚の栄養と管理に関する研究・・・K .G .Mitchell(英国)

国際養豚シンポジウム(於 東京農業大学図書館), 1983.8

科学技術セミナーへの協力

 昭和63年(1988)年10月3日、4日虎ノ門パストラル(東京農林年金会館)において(財)交流協会主催の第8回科学技術セミナー「豚の呼吸器系と生殖器系」The 8th seminar on Science and Technology “Respiratory and Reproductive System of Swine”1988が開催された。日本養豚学会は(財)交流学会の要請により全面的に協力した。
出席者は中華民国側からのスピーカー10名、日本側からのスピーカー9名、オブザーバー15名、計34名のClosed Seminor(公用語:英語)であったが、内容の充実した立派なセミナーであった。その概要は日豚会誌第25巻第4号、254〜260頁に、またProceedings(英文)は(財)交流協会から発行されている(1989年3月)。

日本養豚研究会 創立10周年記念大会 記念講演

期日:昭和49年(1974年)4月25.26日
会場:東京都港区芝西久保明船町18 ニッショーホール
  • 創立10周年記念大会 表紙
  • 【記念養豚講演会(招待講演会)の開催】

    デンマーク王位獣医農科大学前教授, 日本養豚研究会名誉会員 Prof. Dr., Dr. h.c. Hjalmar Clausenにより下記2題の記念講演が行われた。

    1.豚の改良と育種について Improvement and Breeding of Pigs.
    2.デンマーク・ランドレース種の歴史と現状 History and Present Status of Danish Landrace Pigs.

    日本養豚研究会(現学会)
    創立10周年記念講演中のクラウセン教授
    (昭和49年(1974)4月)

日本養豚学会 創立25周年記念講演

期日:平成元年(1989年)3月27.28日
会場:東京農業大学(東京都世田谷区桜丘1-1-1) 記念講演(招待講演)の開催
  • 養豚学会誌
    創立25周年招待講演
    1989年3月東京農業大学
  • 鄭 丕留博士
  • Lawrence A.Johnhson博士

日本養豚学会 創立50周年記念大会

期日:平成26年(2014年)3月16日
会場:東京農業大学厚木キャンパス トリニティーホール
  • 日本養豚学会誌 創立50周年記念号
    2016年3月東京農業大学厚木キャンパス
    トリニティーホール
  • 創立50周年記念 記録

日本国際賞受賞「Polge博士」記念特別講演

家畜における精液及び胚の凍結保存技術の開発

第8回日本国際賞(推薦者 丹羽太左衛門)1992.4月
旧東農大 図書館前にて

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